備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

2009-01-01から1年間の記事一覧

2009年2月データによる更新

「真の失業率」には、今のところ、完全失業率と乖離して大きく高まる動きはみられません。むしろ、完全失業率のじりじりとした悪化傾向が目につきます。勤め先都合による離職失業は急速に増加しており、それを補う形で、家計補助的な女性の雇用が増加してい…

2009年2月データによる更新

今回の完全失業率は、比較的ストレートに就業者が減少し、その分、完全失業者が増加しています。コア物価(前年比)はゼロを継続し、フィリップス・カーブは、底を這う動きとなりました。 今回の経済指標で注目されるのは、在庫調整が進み、生産予測調査では…

もっと需要を、そしてもっとレバレッジを

※追記を加えました(03/29/09)。また、引用した下記08/21/09付けエントリーに文章の適正化等の修正を加え、説明を追加しました(03/31/09)http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20070821/1187709574 昨年9月末の金融危機と、それによって深刻化する今回の不…

新カテゴリーの設置

ということで、「真の失業率」カテゴリーを設置しました。

鍋象=Bewaad方式「真の失業率」の補正(メソドロジー)

(前回のエントリー) 田中秀臣「雇用大崩壊 失業率10%時代の到来」 さて、本書の冒頭では、就業意欲喪失効果を考慮して本来の失業率はいかなる水準にあるかを考えたとき、公表失業率を約2%程度超過する可能性を指摘しています。雇用大崩壊―失業率10%時代…

田中秀臣「雇用大崩壊 失業率10%時代の到来」

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2009/03メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 116回この商品を含むブログ (51件) を見る まずもって、書名と本書の内容はミスマッチです。ということ…

澤井景子「どのくらい進むか、雇用削減 失業率に含まれない「不完全な失業者」の存在」(日経ビジネスON LINE)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090210/185665/?P=1 オークン法則による完全失業率の推計についてはここでも行いましたが、同様の推計を行っている記事がありましたので紹介します。なお、こちらで行った推計は、下をご参照ください。 オー…

ポール・クルーグマン「良い経済学 悪い経済学」

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)作者: ポールクルーグマン出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2000/11/07メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 187回この商品を含むブログ (57件) を見る 本書の日本語版は、1997年の刊行。現在では、経済学…

2009年1月データによる更新

有効求人倍率が大きく低下しているにもかかわらず、完全失業率は改善(4.1%、前月差0.2ポイント低下)。このあたりの解釈は難しいところですが、このところ、男性を中心に非自発的離職失業が増加し、自営業主が減少する一方で、家計補助的に働く女性就業者…

駒村康平「大貧困社会」

大貧困社会 (角川SSC新書)作者: 駒村康平出版社/メーカー: 角川SSコミュニケーションズ発売日: 2009/01メディア: 新書購入: 3人 クリック: 51回この商品を含むブログ (28件) を見る 「大貧困社会」とは何を意味するのか。冒頭の記述をみると、これから到来す…

新記録&4周年

ここ数ヶ月、BlogPetでみたPVのベースラインが高くなったような気がしていたのですが、今日は1746PV(1192UU)で、訪問者数については、ほぼ2年半ぶりに最高値を付けたと思われます。*1田中先生のTBを頂いたことと、hotentryというはてなの「あおり」の仕組…

地デジTV購入支援

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090218AT3S1800E18022009.html この報道で買い控えが広がり、ますます需要が縮小するような悪寒・・・ 要するに、いまのような政治情勢では、このような問題がより深刻化しかねない、ということなのです。

戦争よりもバブル──フリーターの数を減少させるもうひとつの方法

最近読み応えのあるエントリーが増えているこちらのブログから。 正規へ(再・2008・10・30)(ゲンダラヂオ) 本稿の最も重要な発見として、非正規雇用としての離職前2年から5年程度の同一企業における継続就業経験は、正社員への移行を有利にすることが明…

米国の貨幣乗数の低下

先日のエントリーでは、多くの人に注目していただきありがとうございました。先日の文章では、足許における貨幣流通速度の低下がやや強調されていますが、より注目すべきなのは、米国では、経済成長に見合う以上の貨幣量の拡大が継続的にみられていることの…

経済指標からみた米国経済と「流動性の罠」

日本の雇用情勢についてひととおりの見通しを行ったので、つぎに、米国の経済情勢についてみておくことにします。昨年11月に掲載した下のエントリーを更新しますが、今回は少し長いスパンをとっています。http://d.hatena.ne.jp/kuma_asset/20081127/1227792…

オークン法則の再推計

※完全失業率予測に関する図表について、政府経済見通しの数値の誤りを修正し、日銀「経済・物価情勢の展望」の最新値を反映しました。ご指摘いただいたsheepmanさんに感謝します(02/12/09)。 前回は、1990年以降のデータによりオークン法則を導き、日銀の見…

2008年12月データによるNAIRUの再推計−結果は3.51〜3.61%

(過去のエントリー) NAIRUの推計−結果は3.62〜3.76% 2008年8月データによるNAIRUの再推計−結果は3.54〜3.57% 「インフレを加速させない失業率」(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment: NAIRU)は、おおむね自然失業率に相当するものとみなさ…

土曜日、書店にて

一昨日の土曜日は休日でしたので、お昼に、娘と一緒に食事に出かけました。帰りに書店の前を通りかかり、娘にせがまれたので中にはいることにしました。娘のめあては「かいけつゾロリ」シリーズ。まあ、はいっても、何を買うかを決めさせて、あとでAmazonの…

ELLE、経済系ブログ・ミシュラン2009

再度、当ブログを取り上げていただきました。ありがとうございます。http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090207#p5

デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(3)

雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮本光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る(過去のエントリー) デ…

2008年12月データによる更新

完全失業率は、ここ数ヶ月のブレはあったものの、ほぼトレンド的に悪化しています。コア物価は、原油価格の低下等にともない低下しており、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前月と同水準で、来月にはマイナスとなることが見込まれます(東京都…

デヴィッド・マースデン「雇用システムの理論 社会的多様性の比較制度分析」(2)

雇用システムの理論―社会的多様性の比較制度分析作者: デヴィッドマースデン,David Marsden,宮本光晴,久保克行出版社/メーカー: NTT出版発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (10件) を見る※付注を追加しました(02/…

ポール・クルーグマン「格差はつくられた 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略」

格差はつくられた―保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略作者: ポールクルーグマン,Paul Krugman,三上義一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/06/01メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 176回この商品を含むブログ (65件) を見る 1980年代以…

大竹先生の論説

http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2009/01/post-effd.html#more 企業が蓄積した内部留保を活用して雇用を維持するべきだ、という議論は、ここ数週間の間によくみられるようになりました。雇用の維持によって、人的資本の毀損を防ぎ、生産性の向上につ…

アセモグル公式翻訳プロジェクト、ほぼ完了

アセモグル公式翻訳プロジェクトですが、いつの間にか、「人的資本政策と所得分布」の翻訳がほぼ終了しておりました。ほんとに皆様、仕事がお早い。 稲葉先生の音頭で始まったこのプロジェクトですが、この翻訳に参加されていたのは、以下の方々です。 id:op…

これまでの経験則

とうとう、こういう時代が再びやってくることになりました。そういえば、春闘の山場も近づいてきましたね。http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090106AT1C0600K06012009.html 経済団体のいう「ワーク・シェアリング」=正社員の賃下げ 賃下げの時代、ふ…

謹賀新年

新年 あけましておめでとうございます。本年も、よろしくお願いします。 今年も、港北NTの元旦は、晴天でした。