備忘録

ー 経済概観、読書記録等 ー

経済・社会

濱口桂一郎、海老原嗣生『働き方改革の世界史』

働き方改革の世界史 (ちくま新書)作者:濱口桂一郎,海老原嗣生筑摩書房Amazon 英米独仏日の労使関係論に関する古典的名著を紹介。一見、適当に選択したようにみえるそれぞれの主張が、「労働法政策を基本的なディシプリン」とする著者の一貫したパースペクテ…

安井翔太『効果検証入門 正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎』

効果検証入門〜正しい比較のための因果推論/計量経済学の基礎作者:安井 翔太技術評論社Amazon 観測データから因果関係を特定することが困難であることは、よく知られた事実である。与えられたデータを用いて因果推論を行う場合、必ずしもオーソドックスな分…

真の失業率──2021年4月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2021年3月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2021年1月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年12月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

酒井正『日本のセーフティネット格差 労働市場の変容と社会保険』

日本のセーフティーネット格差:労働市場の変容と社会保険作者:酒井 正発売日: 2020/02/06メディア: 単行本 主として「就業」及び「格差」の観点から、日本の(広義の)セーフティネットについて、筆者自身の研究も交えつつ、近年の政策研究をサーベイする。…

浜田宏、石田淳、清水裕士『社会科学のためのベイズ統計モデリング』

社会科学のための ベイズ統計モデリング (統計ライブラリー )作者:浜田 宏,石田 淳,清水 裕士発売日: 2019/12/01メディア: 単行本(ソフトカバー) 「社会科学のための」と謳われているように具体的な政策分析事例を取り上げ、加えて「文系人間」でも数式展…

真の失業率──2020年11月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年10月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年9月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

トーマス・カリアー(小坂恵理訳)『ノーベル賞で読む現代経済学』

ノーベル賞で読む現代経済学 (ちくま学芸文庫)作者:トーマス・カリアー発売日: 2020/07/10メディア: 文庫 1969年に最初のノーベル経済学賞(アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)を受賞したフリッシュ、ティンバーゲンから、2009年に受…

適応的期待によるフィリップスカーブの妥当性

KaggleのNotebookにおいて、物価水準が安定した長期均衡状態における完全失業率である「インフレを加速させない失業率」(NAIRU)を推定した。※ 可変NAIRUの収束性が高まることから、時系列データを四半期に改めました。推計結果に大きな違いは生じません。…

真の失業率──2020年8月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

労働分配率の上昇要因と賃金が抑制された理由

(前エントリー) 一人当たり名目賃金はなぜ力強さにかけるのか? traindusoir.hatenablog.jp 前エントリーでは、足許、物価(GDPデフレーター)が停滞し労働生産性も伸びないため、賃金(一人当たり名目雇用者報酬)の伸びには力強さが欠けており、企業にと…

一人当たり名目賃金はなぜ力強さに欠けるのか?

※ グラフの参照にミスがありましたので、差し替えました(09/24/2020) 毎月の「真の失業率」エントリーに掲載しているグラフにもみられる通り、2012年の政権交代以降、名目賃金の減少傾向は反転し、その後は総じて増加傾向にある。一方、物価の上昇傾向はよ…

ジェイン・ジェイコブス(香西泰訳)『市場の倫理 統治の倫理』

市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫)作者:ジェイン ジェイコブズ発売日: 2016/02/09メディア: 文庫 率直にいって面白い。これまで自分の周囲で話題に上ることがなく、いまに至るまで読まずにきたことが不思議に思える位に面白かった。 原題は”SYSTEM OF …

真の失業率──2020年7月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

東京大学卒業生の進路からみる公務人気の変化

8月22日付けの朝日新聞朝刊に、本年度の国家公務員総合職試験の合格者は1,717人で、大学別合格者では東京大学の249人が最も多かったものの前年度より58人減少、記録に残る1998年以降過去最低であったことが記されている*1。また、申込者数も過去最も少ない1…

平均勤続年数の変動とその要因

8月4日の日経新聞『働き方innovation データを読む』では、簡潔に整理すると、 ・日本の働き方は(欧米と異なり)終身雇用を前提としたメンバーシップ型。一般労働者の平均勤続年数は平成以降も伸長。 ・根強く残る賃金の年功制はメンバーシップ型を補強。…

真の失業率──2020年6月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年5月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年4月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年3月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年2月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2020年1月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2019年12月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

企業部門のISバランス(貯蓄)は大幅減少

国民経済計算(SNA)の資本勘定から推計したISバランスについては、3年前に2011年基準改定後の動向を分析し、昨年、その後の動きをフォローアップした。traindusoir.hatenablog.jp資本勘定とは、一国経済(および制度部門別)の貯蓄と投資のフローを実物面か…

真の失業率──2019年11月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…

真の失業率──2019年10月までのデータによる更新

完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「…